作品概要

イントロダクション スタッフ紹介 監督・海南友子からのメッセージ

イントロダクション

もう二度と見ることができない…切なく美しい島の物語 これは、気候変動に揺れる3つの島を見つめたドキュメンタリー作品だ
南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島。
ナレーションやBGMをあえて入れない構成を選んだのは、彼らのありのままの暮らしのすばらしさを見てもらうため。
ページトップへ

スタッフ紹介

海南友子
●海南友子 (かなともこ)監督・プロデューサー・編集

1971年 東京都生まれ。日本女子大学在籍中に、是枝裕和のテレビドキュメンタリーに出演したことがきっかけで映像の世界へ。卒業後、NHKに入局。報道ディレクターとしてNHKスペシャルなどで環境問題の番組を制作。2000年に独立。初監督作品は01年『マルディエム彼女の人生に起きたこと』。続く『にがい涙の大地から』(04)で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞、台湾国際ドキュメンタリー映画祭などに出品。07年劇映画のシナリオ『川べりのふたり(仮)』がサンダンス国際映画祭でサンダンスNHK国際映像作家賞を受賞。環境問題はライフワークで、学生時代には植林などの活動や地球サミット(92年)のプロセスに参加。ごみゼロナビゲーションで知られるASEEDJAPANの立ち上げメンバーでもある。

海南友子公式サイト:http://kanatomoko.jp/

●是枝裕和 (これえだひろかず)エグゼクティブプロデューサー

1962年、東京都生まれ。テレビ・ドキュメンタリーの演出を経て、95年、初監督した映画『幻の光』がベネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞等を受賞。以後、『ワンダフルライフ』(98年)、『ディスタンス』(01年)、『誰も知らない』(04年)、『花よりもなほ』(06年)、『歩いても 歩いても』(08年)、『空気人形』(09年)を監督、海外でも絶大な評価を得ている。09年には初のドキュメンタリー映画『大丈夫であるように―Cocco 終わらない旅―』が公開された。

是枝裕和公式サイト:http://www.kore-eda.com/

撮影 南 幸男
撮影技術・録音 河合 正樹
整音 森 英司
アソシエイトプロデューサー・編集 向山 正利

ページトップへ

監督・海南友子からのメッセージ

私には忘れられない光景があります。

私には忘れられない光景があります。
テレビ番組の撮影で訪れた南極に程近いパタゴニアで、
氷河の取材をしていた時のことです。何万年もの時を重ねた氷河が、眼下に果てしなく美しく輝いていました。
しかし、突然の轟音とともに、あっという間に消えたのです。後には、氷河の崩れた音だけがいつまでもこだましていました。
自分の踏みしめていた大地が、跡形もなく消える。
その恐怖の生々しさに私は震え上がり、『いつか私の住む町にも、同じようなことが起こるかもしれない』と、強く感じました。
その恐怖は、氷原の美しさとはあまりに対照的で、強く心に刻まれました。

私は今回、この作品で“失われゆくもの”を描きたいと思いました。
足元の氷河が消えてしまったように、気候変動の影響を受ける島で は、長年築いてきた生活文化や伝統など、
さまざまなものが消えゆく運命をたどろうとしています。
それらをよりリアルに感じてもらうために、なるべくそのままに近い形で記録しました。
余計な演出やナレーションはありません。
風の音や人々の笑い声に耳を澄まし、ゆったりと作品と対峙してもらいたいのです。
そして、“情報”ではなく、“心”で受け止めてほしいのです。私たちの何が失われようとしているのか、を。

ページトップへ